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【ヒロアカ】63億分の1(ファット)

第2章 厨二病な世界





いつ頃からだったかな……

施設長に反抗する様に
なっていったのは……



思春期だと言えば
聞こえはいいかも知れないけど

フラフラと遊びに出る度に
門限だの、付き合う人間は選べだの
説教をするようになった施設長を
私は避け始めたんだ



何で私ばかりに
言うんだろうと思って

私はずっと
施設長に嫌われていると
思っていたけれど

そんなにも悲痛な顔で
寄り添ってくれてたんだね



知らなかったよ

ありがとう
そして、ごめんなさい



何度も何度も
施設長には迷惑を掛けてきた



補導されて、呼び出される度に
溜息を吐きながらも

「何もなくて良かった」

なんて笑顔を見せてくれていたのを
気付かないフリをしていた



……生きているうちに
ちゃんと御礼を言えたら
よかったのにな



「……良い子にしてたら
ホントにママ達は
迎えに来てくれるの……?」



「もちろん!
だからちゃんも、
お部屋戻ろう?」



私は小さなその腕で
乱暴に涙を拭い

施設長の色褪せた
エプロンを掴む



……我ながら
健気なものだ



思い切り泣けばいいのに



良い子にしていても
していなくても

誰も迎えになんて
来てくれはしないから



どうせお母さんも
お父さんも

私の存在なんて
忘れてるに決まってる



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