第21章 Wデートに行きましょう…?
私達はカフェを出て歩き始めた
肩を抱いてエスコートされるという乙女ゲームのイベントの様なドキドキ展開の後にカフェで鏡をチェックしたが特段メイクが崩れている事は無かったので安心したが自分が思う以上にずぶ濡れで驚いた
私達はたっぷりと時間をかけて暖かい飲み物と軽食を摂り
存分に暖まってから外へ出た
藤木に謝りの電話を入れたら
実は今回が亜弥南ちゃんとの初デートらしく誘い易くする為に私達を呼んだそうで都合が良かったらしい
【閉園時に出口集合】と旅のしおりにでも書かれていそうな文章が送られてきたので好きに過ごす事にした
「何処が気になる?」
「これかな」
園内マップを広げて見ている彼が屈んで見せたマップを覗くと大きめの絶叫マシンを指指していた
余程気に入ったのだろう
私達はそこへ行く事にした
________"
列は朝よりも長く伸びており待ち時間は20分だった
少し不服そうな彼だが背中を押して列に加わった
「ねぇ、他にも遊園地はあるの?」
「いっぱいあるよ!」
「へぇ……」
「また違う所も行く?」
「うん」
くそ…………可愛い。
イルミさんはイエスとノーがはっきりしていて解りやすい
それに彼と暮らして密に接する事でちょっとした声色の変化や表情の変化を私が解る様になった事も大きいかもしれない
ジェットコースターを降りた後の彼はやはりどこか瞳を輝かせていて非常に可愛らしかった
「次私行きたい所ある!」
「わかった」
私が行きたかったのはメリーゴーランドだ
別に乗りたい訳では無いが無表情の彼が馬に乗ってくるくる回る姿は単純に面白そうで見てみたかったのだ