第20章 Wデートに行きましょう
暫くして藤木からの着信があり
イルミさんと軽自動車へ乗り込んだ
「はじめまして!藤木勇也です!
沙夜子さんの仕事の同僚で、仲良くさせて貰ってます!」
藤木は見た目こそ少し派手だが良い奴だ何時もの彼らしく笑顔を向けてくれた
「はじめまして、勇也の彼女の亜弥南です!よろしく!」
亜弥南ちゃんは藤木からの事前情報で同じ歳だと知っていた
綺麗で大きな瞳が印象的だ
「はじめまして、沙夜子です!藤木くんの同僚です、お世話になってます!よろしく!」
「はじめまして、沙夜子の彼氏のイルです。よろしく」
とりあえず全員挨拶を終了させて出発する
暫くすると車内ではイルミさんの話になった
「さーやの彼氏めっちゃ男前やん!ビビったわ!」
「ほんまに!アヤもびっくりしたぁー!」
「何処で知り合ったん?出会い無いとか言うてたくせに~!」
「アヤも知りたい~」
交互に話しをふってくれる二人は盛り上げ上手で息ピッタリだ
………しかし、出会いまで考えていなかった
(どうしよう……………)
「出会いなぁ………えっと………「出会いは公園。たまたま散歩中に見掛けて俺が声かけたのが出会い。ね、沙夜子」
「うん!そうそう!」
口ごもっていた私に代わり応えてくれるイルミさんは思いの外頼もしい
私は全力で感謝しつつ同意した
「まじで!じゃあ沙夜子ちゃんがナンパされた感じ?」
亜弥南ちゃんは興味津々と言った感じで瞳を輝かす
その表情は恋ばな好きの乙女といった感じで実に可愛らしい
「そう。俺がナンパした」
「イル君そんなタイプに見えへんのに肉食系なんやね!しかもイケメンとか羨ましい~!」
「おい!彼氏隣居るんやぞ!」
「嫉妬してるの?勇也可愛い~!」
会話に入らずただ見ていただけの私だがびっくりする事に独占欲が強かった事が判明したのだ