第150章 転がるケーキ
もりもり食べ進めながら言えば藤木は不思議そうな顔をした
「彼氏ちゃんに頼べば良くない?」
「彼氏には内緒で用意するの!」
「もしかしたら彼氏もケーキ買ってて被るかもよ?」
「無い。彼氏クリスマスとか意識しやん人やから」
「えー……寂しい」
「良いの!」
私がお土産に渡した白○恋人を食べながらぶつぶつ言う藤木を無視して普段より随分早くお昼を済ませた
ケーキ屋さんのショーケースに辿り着くと可愛らしくデコレーションされたケーキ達をガン見する
今まで食べたショートケーキとはやはり別のケーキにしたい所
ド定番のイチゴのショートケーキに後ろ髪引かれながらもチョコレートケーキなんてどうだろう……はたまたモンブランも良く見える……なんて一人で唸る
ニコニコと私の反応を待つ店員のお姉さんの視線を感じながらも吟味する事数十分
私が選んだケーキはブッシュドノエルだった
ロールケーキの様な形の特徴的なケーキは彼の目には新鮮に映るかもしれないとの考えからだ
またチョコレートで切り株の様にコーティングされたケーキは可愛らしく美味しそうだと思った
ショーケースを指差して予約の用紙を記入する
その紙を店員さんに手渡そうと視線を上げた先、レジの横に砂糖菓子のサンタクロースが売られていた
誰しも一度は憧れるケーキの上のサンタクロース