第144章 彼と私のツアー旅行
しかし回転寿司のウニとは訳が違う。勿論回転寿司のウニもあれはあれで良いのだが、新鮮で大粒のウニを彼にも食べて貰いたいと思ってしまうのは私の我が儘だろうか
せっかく美味しい物があるのだからこのウニを食べた後に好きか嫌いかを決めて貰いたいと思った
「一口食べてみてくれませんか?」
「………。」
私が言えば彼はチラリと視線を寄越した後に意外にも大きな一口を頬張った
そして
「……………美味しい」
「でしょ!?」
驚いた様に僅かに瞳を開いた彼はその後「ウニまた食べられるかな」なんて尋ねてくるので可愛過ぎて萌えたのは言うまでも無い。
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結局がっつりどんぶりを食べてしまった私達だが昼食のジンギスカンもしっかり食べた
食に貪欲な私なら納得だが彼がペロリと完食した事にある種の感動を抱いたりした
次いでやって来たのはトラピ◯チヌ修道院
バス内でガイドさんが其の歴史について解説してくれる
何でも明治時代にフランスからやって来た修道女の方々が創った日本初の女性修道院らしく現在も修道女の方々がいらっしゃるそうで見学出来るのは外観だけとの事だった
到着して同じツアーの人々と共に敷地へ入ると綺麗に整備された庭には聖テレジア像が鎮座しておりレンガ造りの重厚な建物が静かに佇んでいた
彼は先程の説明で歴史的な建造物なのだと認識したらしく俄然観光する気満々の様でツアーの波から離れそうな勢いに慌ててコートを引っ張る
「何。」
「ここは皆で見る感じです。ガイドさんが誘導してるし」