第144章 彼と私のツアー旅行
昼食が付いているのでもりもり食べる事は出来ないが何か買い食いするのは旅先の醍醐味だと思う
大好きな彼と綺麗で素敵な旅先にいる、其れだけで足取りは軽く成り私は嬉々として彼の腕を引いたのだった
「転ぶよ」
「その時は助けてくださいね!」
「………良いけど」
________"
私達が入った店はまさかの海鮮丼の店だった
遡る事10分前
私達は海鮮丼のお店とカフェの丁度中間に並び立っていた
「………あったかいコーヒーがありますよイルミさん」
「そうだね。パンケーキもありそうだね。」
「ですね。………美味しそう」
「うん」
ぐるぐる音を鳴らす胃袋は本能的にお腹に溜まる海鮮を求めている
………しかし昼食迄あと少し………
今がっつり食べてしまえば後が困る
「……私は温かいココアかなぁ」
「暖まるだろうね」
「………サンドイッチ軽食に良いですよね」
「そうだね」
なんてしっかり返事はするものの私には解る………
…………彼の気持ちが手に取る様に解る…………
何故ならカフェの会話を弾ませながらも彼の身体は海鮮丼の店に向いている
「さ、入りましょうか」
「うん。」
私達は良い歳をした大人だ
欲望を抑え込む術は身に付けている
「何飲むか決めました?私ホットココア」
「ホットコーヒー」
私達は真っ直ぐに歩みを進め、海鮮丼と書かれた暖簾を潜った