第18章 何でもないヒトコマⅡ
2月に入った一週目のある日
アパートの軽い配管工事が入る事になり1日断水という事になった
コールセンターに出勤なので家にいない私は平気だがイルミさんは大丈夫だろうか……事態を説明したが淡々と"平気"という単語だけが返ってきた
(大丈夫かな……トイレとか………)
飲み物は麦茶で賄えるだろうし……なんて考えていると
「なぁ何で彼氏おらんとか嘘付いたん。やっぱりあいつ彼氏やろ」
同期の藤木にニヤニヤしながら話しかけられた
"彼氏役ならしっかり務める"
イルミさんの言葉が甦る
「嘘じゃなくて!彼氏になったよ」
「まじか!やっぱりな。俺に当たりキツかったもん」
「そうなん?」
(愛想良い方ちゃうからな………)
「うん。まぁ、お互い良かったな!」
と言ってくれる藤木は良い奴だ
あの合コンで出会った私の友人の紹介で彼女が出来たそうだ
合コンで彼女が出来なかったあたりはご愛嬌というやつだろう
「そやな!幸せになろう!」
本当に幸せになって欲しいと思いそう言った。
自分は本当はフリーなのが切ない
「なぁ、今度ダブルデートしようや!」
「え……」
「さーやの彼氏にも怪しい者じゃないって証明したいし?そういうリア充イベント味わいたいし」
「うーん。彼氏あんまりそんなん好きちゃうんやけど」
「…………この間の合コン、ドタキャン………今回は大丈夫やんな」
「……………………………はい」
圧力が凄かった。了承せざるを得なかった。