第17章 豆まきだって命掛け
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シュールな一時を過ごした私達は豆を歳の数だけ食べた
そして恵方巻も"今年の恵方巻 方角"を検索して無言で食べた
実に静かな夜だ
「………はい、節分終わり。夕飯にしましょう」
「うん」
一応ラップはしてあったがこれ以上お刺身を置いておくとカピカピになってしまう
それぞれの小皿に醤油を入れて私はワサビを少し溶かす
「イルミさんワサビいります?」
「なにそれ」
「ツンてして辛いやつです」
「入れて」
私と同じ量小皿に出した
「イルミさん辛いのも平気でしょ。訓練で」
「うん。だけど好みの趣向で辛いのは好き」
「そうやったんですか!知らんかった」
イルミさんの些細なプライベートな部分を覗き見る度に嬉しくて、次から辛い料理を振る舞う機会を増やそう!なんて考えたりするのは楽しい
その後テレビを見つつ手巻き寿司をまったりと楽しんだ
イルミさんは特に鯛と鮪を気に入った様で"美味しい"と言いながら沢山食べてくれて思いの外好評で終了した
「また、お寿司屋さんにも行きましょう!」
「うん」
またやりたいリストに追加だな……と紙に書き込みつつ密かに笑みが溢れた