第139章 イルミネーションコミュニケーション
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私達はその後ゲームセンターでプリクラを撮った
相変わらず物凄い加工で彼のお気に召さ無かったが私は大変満足である
そして私達は列に並んで観覧車に乗った
すっかり日の落ちた辺りは暗くなり大通り迄木々達がイルミネーションで輝いていて思わず歓声を上げる
「降りたら広場に行きましょう!」
一際輝く広場はイルミネーションの本領を発揮していて遠目からも美しい
「うん」
ゆっくりと登る観覧車はもうすぐ天辺に成る
私達の今を観覧車に例えるなら降りる寸前なのだろう
真っ直ぐ向かい合った私達はどちらとも無く視線を合わせていた
「知ってる?観覧車ではキスするらしいよ」
沈黙を破った彼の言葉が衝撃過ぎて固まる
今この状況で何故そんな事を言うのか私は大いに混乱し
「え、あーカップルはそうですかね」
なんて作り笑いを浮かべるのが精一杯だった
彼の意図が読めずに固まる私に彼は悠々とした所作で手を自身の口元に運ぶと考える素振りを見せる
これは期待して良いのだろうか……
………私は彼と………
なんて考えたのも束の間
「人間ってどうしてキスするんだろう」
私の思考とは全く違う哲学的な言葉にまたしても固まる
目の前の彼は一体私をどうしたいのだろう