第139章 イルミネーションコミュニケーション
次いでやって来たのはホビーランド○ズ
沢山のキャラクターフィギュアが並ぶ店内は見て回るだけで楽しい空間だ
彼はどうだろうかとチラリと盗み見ると怪訝な表情で立ち尽くしていた
その視線の先にはイルミさんのキーホルダー
彼の表情から察するに彼は普通に彼なりの人生を歩んで来て自身が異世界で非現実的なアニメのキャラクターとして持て囃されているなんて思っても見なかった事だろう
其れを不快に思っても不思議では無い
そして決してHUNTER×HUNTERを読まない辺り、自身の人生をアニメや漫画として読む事に抵抗があるのだろう
「イルミさん!ON○ PIECEコーナーです!」
「本当だ」
気を逸らす様に声を掛ければ彼の表情は普段通り無表情に戻り私達は楽しく店内を見て回った
その後私達は駄菓子屋さんで懐かしのお菓子を購入した
彼にとっては初めて見るお菓子ばかりだった事もあり、まさかの2000円注ぎ込む大人買いを見せた
随分歩いた事で私はすっかり疲れていてそこかしこ中に設置されているベンチに腰掛け駄菓子を貪っている
「やった!当たりです!」
ヤッターメンの紙製の蓋の裏には10円と書かれており相当の商品と交換する事が出来る、と説明すれば彼は感心した様子で手に持っていたヤッターメンを開いた
「ハズレ」
「他にも当たり付きのお菓子いっぱいありますよ!」
「へぇ。」
なんて会話を交わしつつお菓子を食べ切った頃私は激しい睡魔に見舞われていた
「…………。」
「…………。」