第137章 夜更かしのヒトコマ
その後フリスビーやアーチェリーバスケットボール、ピンポン等私は果敢に彼に挑んだが結果は散々だった
「次これしようよ」
「挑むところだ」
「………。」
彼が次いで選んだのはカヌーだった
制限時間内にどれだけ早くゴールに辿り着けるかを競う単純なゲームに二人して真剣に取り掛かる
スタートの音が鳴り懸命にWi○リモコンをオールの要領で動かす
無我夢中でゴールを目指した結果
「………勝った………!」
「負けた」
私は初めて彼に勝利した
私を負かし続けた彼の無敗伝説がついにストップしたのだ
記念すべき初勝利!!!!!
私は満面の笑みを浮かべて彼を見た
彼は無表情ながら僅かに眉を潜めていて溜息を付くと興味を失った様にコントローラーをちゃぶ台に置いた
常日頃から私の事を馬鹿にしている節がある彼からすれば余程屈辱的だったのか
「もうしない」
とお拗ね様モードに入ってしまったのでゲームを切った
彼は時折驚く程子供じみていて面倒くさい一面を持っている
しかしそんな彼にゾッコンの私は………面倒で可愛いと思ってしまう………。
思わずニヤニヤ緩む頬
「………何。」
私の表情に不快そうな声を上げた彼
「いえ、可愛いなぁと思って!」
面倒くさいとは敢えて言わなかった。勿論言わない方が懸命だと思ったからである
「意味が解らない」
真っ暗のテレビ画面を見詰めて言った彼は続けて
「次は何をする?」
思っても見なかった事を口にした