第134章 迷子のクリスマスツリー
私がこの場に留まっていたとして彼と再会する可能性はどれくらいあるのだろう、と考える
迷子に成った際は元の場所から動かないのが鉄則だが彼が独り観光へシフトチェンジしている場合この場所を彼が訪れる事は限り無く0に思えて途方に暮れた
見上げればうっすら暗い空
日の入りが随分早く成った
………彼は一体何処に居るのだろう……
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自身の希望アトラクションを終えて彼女は恐竜関連のグッズが溢れるショップへと自身を誘った
どうやら写真を買うらしい
長く伸びた列に加わった彼女
横並びでいると他の客と肩がぶつかって煩わしいのでやんわり手を離すが何やら考え事をしているのか、はたまた疲れているのかぼんやりした彼女に
「外で待ってるから」
と伝えてショップの外へ出ると其処には恐竜が歩いていた
「!」
恐竜は何億年も昔に絶命した筈の生物だ
沙夜子に貰った図鑑に恐竜図鑑という物があったので知識は持っていた
"緊急事態発生"との放送が響き
目の前を小型肉食恐竜が闊歩している
これは大変だ。と思った
俺は平気だけど沙夜子の身が危険だ。
しかし恐竜達はショップに入る素振りは見せないで闇雲に歩き回っていて
彼女はショップから出ない方が良く自身は恐竜の動きに警戒を続ける方が良いと判断した