第133章 遊園地と浮かれたカチューシャ
4K3Dというのが実際どんな物なのか把握出来ていなかった私だが
実際に体験してみると技術の進歩に驚いた
ビビりな私は目の前に敵が現れたり熱風を浴びたりする度に叫んでしまいハラハラドキドキな展開に内心本気でスパイダーマンを応援してしまった
隣に乗っていた彼はというとメガネで余り表情は伺え無かったものの、やはり微動だにせずお人形の様に鎮座しているだけだった
外に出て第一声で
「悪く無かった」
と上からの発言をした彼だが無表情過ぎて本当にそう思っているのか解らない……しかし彼ははっきりとした性格をしているので本音なのだろうと判断する
ライド内で撮影された写真をしっかり購入した私は次いで目的地を上げた彼に引かれる様に手を取られて歩き出したのだが待ったをかけてショップへ足を踏み入れた
彼はどうやら何かのアトラクションがあると思っていたらしくセレクトショップだった事に驚いたのか無表情ながら大きく開いた瞳は現状を把握しようと忙しなく動いていて頬が緩んでしまう
立ち止まった彼を引いてやって来たのはカチューシャのコーナー
テーマパークの醍醐味的な其れは浮かれた雰囲気のパーク内でのみ着用を許される代物だ
カラフルで可愛らしいデザインのカチューシャがズラリと並ぶコーナーの中でクリスマス感も取り入れたピンクのカチューシャを手に取り頭に装着してみる
「どうですか?」
背後でじっと私の様子を伺っていた彼を振り返ると
「随分陽気だね」
なんて言われてしまった