第133章 遊園地と浮かれたカチューシャ
再び外へ出れば室内の照明が控え目だった事もあり眩しさに目を細めた
そして其れと同時にやはり外は寒かった
「次何処に行く?」
言いながら然り気無く指を絡めてしっかりと手を握った彼にドキドキさせられながらもやって来たのはニューヨークエリア
此方も1930年代アメリカをモチーフにしたエリアで赤レンガの街並みが再現されている
ディズ○ーランドと比べればチープに感じてしまう気もするが別に良い
アメージングアドベンチャーオ○スパイダーマンザライド
このアトラクションはジェットコースターでは無いが私が希望したので彼は何も言わずに来てくれた
なんでも7年連続世界No.1ライドを受賞しているらしく世界最高技術の4K3Dを使っているらしい
私は更々興味が無いのだが
何故此所を希望したかと言うと単純に彼の反応が見たかった
3D初体験の彼……どんな反応をするのだろうと想像するだけで楽しみで温かく繋がれた手を揺らすと
彼は手を繋いでいる事で強制的に揺らされている訳だが
揺れる手にチラリと視線を向けただけで特段何も言わなかった
私が思うに彼は優しい。
些細な気遣いが出来る他、よく私のされるがままになっている事が多い
それは付き合ってあげても良い。という器の広さなのか、無関心故になんでも良い、と思っているのかは解らないが
私の提案等に対しても即答でOKしてくれる事が多い。
注意喚起に関しても聞き分けが良く、ぶっ飛ぶ程にマイペースながら実の所アダルトリオの中で一番扱いやすい………と言えば失礼に成るが
共存して行き易いのは彼では無いだろうか……なんて考えていると
「ジェットコースターでは無いんだよね。何これ」
無表情とは裏腹に私に手を揺らされている彼は辺りをキョロキョロ見渡しながら言った
「メガネみたいなん掛けたら映像が本物みたいに飛び出す乗り物です」
「………。」
僅かに眉を潜めた様子からまだ理解しかねているのだろうと判断し
「ヒーローが人質になった私達を助けてくれるストーリーの乗り物です。だから敵が目の前に見えても攻撃したら駄目ですよ」
小声でひそひそと伝えれば彼は短く 解った と言った
その間もぶんぶん振り回される手を彼が止める事は無く、私達はライドに乗り込んだ