第133章 遊園地と浮かれたカチューシャ
生真面目故にしっかりと乗り方をマスターしたいのだろうか……
ジェットコースターに乗り方なんてあって無い様な物だが……なんて考えたが可愛いので放っておいた
階段を登り次で私達の番である
ドキドキと高鳴る胸は彼とこうしてテーマパークにいる嬉しさと相まって自然にテンションもあがった
「次で乗れますね!」
「うん。一番前が良いな……」
と呟いた彼の希望通り私達は一列目の席に乗車した
BGMを決めてボタンを押した私をじっと見ていた彼も見よう見まねで同じBGMを選んでいて
これから始まる滑走を彼と同じ音が彩ると考えるとキュンとした
緩やかに出発したコースターは高いレールを登り、其れをBGMが盛り上げる
頂上迄登った先で見下ろしたパーク内は活気で溢れていて浮遊感と共に一気に急降下する
丁度サビに入ったBGMを聴きながら全身に感じる爽快感に私は何度も歓声を上げた
あっという間にスタート地点に戻ったコースターから下車する
「どうでした?」
乱れた髪を整えながら視線を向ければ彼の大きな瞳はキラキラに輝いていた
「楽しかった」
相変わらず単調な声に笑ってしまったが彼は其れでも瞳を輝かせていた
しかし真冬のジェットコースターは寒い…………
そりゃそうだ、猛スピードで滑走して全身に冷たい風を浴びれば手先もキンキンに冷える
ブルリと震える肩を擦りながら園内マップを広げる彼に歩み寄り私が提案したのは現在地からも程近い室内コースターだった
スペースファンタジー○ライド
太陽を救うために地球から飛び立つ宇宙船がモチーフのアトラクションだ