第130章 腰は大切
そして当然の様にたこ焼き器がある我が家で彼お手製たこ焼きは次々焼き上がって行き
ホカホカと湯気を上げるたこ焼きが皿に乗せられる
まさか彼が夕飯にたこ焼きをチョイスするなんて思っても見なかったが会話を弾ませながら出来立て熱々を食べるのは幸せだった
………しかし……
私は今震えている
夕飯の後片付け迄キッチリこなしてくれた彼に感謝を伝えてお揃いのマグカップで食後のティータイムを楽しんでいた所に飛び込んで来た機械音は洗濯が終了した音だった
どうやら彼が気を回して洗濯も代わってくれようとしていた様で
「干してくる」
と単調に言った彼は濡れた洗濯物の入ったかごを手にベランダへ消えたのだが
(……待って………私のパンツ……!!!!)
…………私の下着はボロだ………。
……ボロと言うよりボロボロだ……
下着泥棒の際にも目撃はされたがまだ遠目だったからマシだと言い聞かせて来たが
実際に手に持たれて干されるとなると其のボロボロさを彼の麗しの瞳にしっかりと映してしまう事に成る
「イルミさん!洗濯は私がします!」
「……座ってなよ。」
私の言葉に一瞬立ち止まった彼だが言うなりベランダに消えてしまった
やばい。相当やばい。
大好きな彼に見られるくらいなら見知らぬおじさんに見られた方が随分マシに思う
3日に一度洗濯を回す様にしているのだが、ここ最近どんな下着を身に付けただろうかと記憶を巡らせるが思い出せず
亀の様な動作でとにかくベランダへ向かう
網戸越しにバサバサとシワを伸ばす音が聞こえて変な汗が吹き出すのが解った
あと一歩、もう一歩だと身体に鞭打ち歩くが
網戸が目前に迫り手を伸ばしたが虚しくも空振りに終わった
私が網戸に触れるより早く彼が外側から網戸を開いてしまったのだ
「座ってないと駄目でしょ。」
「え、……あ、………!!!」
なんて単調に言った彼だが腰を曲げている事で自然に落ちた視線の先に戦慄の光景が広がり固まってしまった
「なっなん……イルミさん……その……私の………パンツ……」