第130章 腰は大切
其だけお手数お掛けしているのも事実なので申し訳ないと思う反面嬉しくて仕方なかった
玉子サンドとハムサンド、更にツナサンドと各々2つずつ用意されていて、ちゃぶ台に同じ物が用意されている所を見ると一皿全て私の朝食らしく何だか贅沢な気分だ
種類豊富ながら食べやすい小振りサイズに作られたサンドイッチは彼の心遣い満載の一品に思えて
「いただきます!!!」
「いただきます」
私の声は楽しそうに響いた
一口頬張るとふんわり優しい舌触りに家庭的な味が口中に広がった
まさに手作りの味
大好きな彼が作ってくれた朝食を彼と並んで食べている
私はなんて幸せ者なんだろう……ギックリ腰に成って良かったとすら思ってしまう
「めっちゃくちゃ美味しいです!イルミさん天才!!!」
「こんなの誰でも作れるよ」
なんて言った彼だがその横顔は何処か嬉しそうに見えた
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昼を過ぎた頃には多少コツを掴み僅かながら動ける様に成っていた
動けると言ってもちゃぶ台付近に限定されているし、とんでもなく時間を費やす訳だがカップひとつにしても彼に頼まなければならない状況よりは随分か気楽に思う
せっかくの休日なので彼と何処かへ外出出来たら……なんて考えていたのに私の腰がギックリしてしまったが為に老人の様な休日に成ってしまった
私が今何をしているかと言うとテレビから永遠流れる全く興味の無い通販番組をガン見している彼を眺めている
従ってテレビの内容を私は全く無視している訳だが
彼は先程からシンクや蛇口がピカピカに成る洗剤から目を離さないのだ
昨日大掃除を手伝ってくれた影響もあるのだが余りにも真剣な眼差しに「そんなに?」と聞きたく成る程彼は懸命に通販番組を見ていた
今なら私が何をしても彼は気付かないのでは無いかと思わせる程集中しているので遠慮無く美形を眺めている
……………これはこれで贅沢な過ごし方かもしれない。