第128章 ポッキーを意識する話
……………何だ…………?
私は………あれ………?
…………私が知っているルールと違う………
……………南南東……………?
…………あれ……………?
「さ、始めるよ。」
未だ付いて行けない私はさぞ間抜けな顔をしてるのだろうがパンと手を叩いた彼は恐らく南南東と思われる方を向いてポッキーを食べ始めた
「……………。」
只彼の背中を見詰めて呆然とする私に彼が気付いたのは2本目を食べ終えた頃で
振り返って私を見詰めた彼は
「……どうしたの?がっかりした顔して」
と実に意地悪で妖艶に笑みを浮かべた
「っ~!!!!!!!!!!」
(はめられたーーーーッ!!!!!ア"ーーーーーーーーッ!!!!)
彼の表情で私は確信した。彼は全て知っていたのだ。ポッキーゲームのルールも……きっと私の魂胆も知ったその上でずっと私をからかっていたのだろう……
乙女心を散々振り回された私はその後彼が引くくらいに南南東を向いて黙々とポッキーを貪ってやった
「………沙夜子……そろそろ寝ようよ」
「………ゲームは私の勝ちですね。お先に眠ってください。」
「………………。」
「………ふふふふふ……はははは!!」
部屋には只、不気味な私の笑い声が響いたのだった