第128章 ポッキーを意識する話
(…………どうするどうするどうするどうするどうするどうする私!!!!!!!!)
今私は妄想を実現させる絶好のチャンスを目の前に突き付けられている……!!!!!!
夢に見る程憧れた彼とのキス………!!!!!!!
只の妄想が現実味を帯びた途端に尻込みする気持ち
…………だけど……一生無い機会では無いだろうか……
(……うん。……そう……こんなん一生無い!!!ゲーム!合法!寸止めでも幸せ過ぎるッ!!!!!!)
私は腹を括って彼を真っ直ぐ見据えた
「します!!!」
大きな声で答えた割には動揺を隠し切れずに裏返った声
ドキドキと高鳴る胸は嬉しいやら恥ずかしいやらで今にも彼に届いてしまいそうで
本当は今この時夢を見ているんじゃないかと疑ってしまう
そんな期待と緊張を含んだ眼差しを一身に受けた彼は実に淡白な雰囲気で口を開いた
その様子をじっと見ていた私は彼の仕草を普段より随分悠長に感じていて耳には只騒いで煩い心音が聞こえる
「ポッキーを南南東の方角を向いて食べるゲームだよね。」
「……………?」
「?」
私はポカンとしていた。