第128章 ポッキーを意識する話
キスはその時の味がする、なんて言うが今彼とキスしたら甘いチョコレート味なのだろうか……
ひとつの袋から分けっこして食べているポッキー
彼の唇に消えるポッキーを見詰めれば彼は此方を向いて瞳を細めた
「さっきからどうしたの?」
「え!?」
「顔真っ赤だし、ぼーっとしてる。」
「……えっ!!……そ、そうですか?」
「うん」
「別に……なんにも……」
「………ふーん。」
真っ直ぐな視線に捕らえられて頬がカッと熱くなる
彼に指摘された事で自覚して身体は更に体温を上げた
帰宅してからずっと彼とキスをする妄想ばかりしていたからに他ならないのだが其れを言葉に出来る程度胸は無い
沈黙が妙に長く感じたその時、口を開いたのは彼だった
「………しかし、随分沢山買ったね。」
「………あ、はい。食べたくて衝動買い……?」
言いながら私を覗き込む様に首を傾げた彼はわざとらしく上目遣いで見詰めてくる
………解る………解るぞ……。私の動向を探っている……!!!
しかし、絶対的に妄想を知られる訳にはいかない………!!!
邪なまでとは行かないが、キスする妄想が彼に露見してしまえば私の乙女心は粉々になるだろう……
「………確か11月11日だっけ……ポッキーの日。」
「!!!!」