第15章 酔っ払いのヒトコマ
次に目を付けたのは透き通る様に白い肌だ
両手で頬を包み込みムニムニしてみる
冷ややかな視線を送ろうと今の私には通用しない!今の私は無敵だ
「イルミんプニプニサラサラ気持ちいい~イルミんかわいいーっ!!」
「さーやは変だよね。ずっと変だと思ってたけどやっぱり脳ミソが変だと思うよ」
「何でやねん!」
強く頬っぺたを挟み込んでみるとムニッと唇が突き出した
私の力加減で無表情なイルミんの変顔が出来上がるのは中々に気分が良い
次は指で両頬を吊り上げてみる
「イルミんにこー!ニコニコご機嫌やん!」
「…………」
目は笑っていないが完璧なるニッコリとした口元が作り上げられている
と、イルミんの大きな片手で反撃を受けた
丸顔な分私は不利だ
頬肉が唇を圧迫して物凄い変顔を晒しているだろう
「……さーや変な顔」
私は彼の手からすんなり逃れて次は手を取った
私よりも随分と大きな手はすらりと綺麗な指をしているのに触ってみると骨ばっていてやはり男性なのだなと思わせる
「イルミんゴツゴツ」
「さーやがプニプニしてるんだよ」
「誰がデブやねん………」
「デブとは言ってない」
「えー」
「程好いんじゃない?」
「まじで!やった!」
溜息を付きお世辞を言ってくれたイルミんを他所に私は絡み酒を続ける
私が次に目を付けたのは筋肉!
私はイルミさんの腕をがしがし握ってみる
「イルミん力こぶ作って!」
「……」
黙って従ってくれるイルミさんは優しい