第126章 平凡なケーキ
…………26歳………クロロさんは私より年上な筈だが
童顔故にあどけない表情を浮かべると遥かに年下に見えた
(…………可愛い……クロロさん可愛いよ………!!!!!なんてキュートボーイ……!!!)
内心めちゃくちゃ荒ぶりつつも献立を伝えるとクロロさんの大きな垂れ目は更に輝いた
「っ………」
危ない。可愛すぎて奇声を上げる所だった。
私は深く息を吐いた後に正気を保ちクロロさんに部屋の飾り付けを頼んだ
可愛い顔を向けられたまま失敗せずに料理出来る気がしなかったからである。
クロロさんは「えー」なんて言いながらもしっかりと飾り付けてくれて部屋はたちまちパーティー仕様になった
壁にはキラキラのモール、HappyBirthdayのパネル
電気や窓辺にも満遍なく飾られた小物類はバランスが良く、クロロさんに任せて良かったと思う
出来上がった唐揚げ、豚の紫蘇巻き、カボチャのサラダを並べてソワソワと彼の帰りを待つ
彼の大好物の玉子焼き、タコさんウインナーも他より少量ながら用意した
暫くクロロさんと談笑しているとガチャリと開いた玄関扉
待ちに待った彼の帰宅に思わず駆け寄る
「お帰りなさい!」
「……ただいま」
キョロキョロと部屋を見渡した彼の表情があどけなくて飾りを買って良かったと思った
「さ、主役ですから座ってください!」
「お疲れ様!」
「うん、お疲れ様。」
私の言葉に素直に座椅子へ腰掛けた彼の元へ鶏肉のクリームスープを注いだスープボウルを置くとクロロさんからは「おぉ!」と声が上がった
「さぁ!食べましょう!」
「「「いただきます」」」
クロロさんに頂いたお酒を注いだグラスを三人で合わせておめでとう、と言えば彼は何処か気恥ずかしそうに視線を反らした
「やっぱり手料理はうまいな!」
「久しぶりに食べたんやったら余計ですよね!」
「うん。美味しい。」
「良かった!お酒も美味しいです!」
「おー!まだ家にあるから持ってくるな。どうせ一人じゃ飲み切らない」
「ほんまに良いんですか……?」
「寧ろ助かる」
「ありがとうございます!」