第125章 俺と彼女
勢い良く開いた扉から飛び出した彼女は自身を視界に入れるとニンマリした
出会った頃身に付けていたフワフワで淡いピンク色の部屋着を身に付けた彼女は自身の隣に腰を下ろす
濡れた癖毛から滴る雫
ほんのり赤みを帯びた肌はフワフワの布に包まれていて
抱き締めたら気持ちが良さそうだ、なんて以前は思いもしなかったのに
「何処に行くんですか?」
「……髪乾かす」
「そっか!」
ドライヤーで髪を乾かしながら傍にちょこんと三角座りをした彼女を見下ろす
「………沙夜子は馬鹿だね。」
「馬鹿でも何でも良いです!」
傍を離れ無いくせに突然不在にした理由は全く聞いて来ない
心遣いかとも思うが歓喜のあまり頭からすっ飛んでしまっているのかもしれない……。彼女なら有り得る話だなんて思うと漏れる笑み
途端に頬を染めた彼女は固まってしまった後にモジモジと袖口をいじっていた
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「イルミン!」
「何。」
「今日はお酒が美味しいな!」
「……沙夜子は何時もそうなんじゃないの」
「今日は特に!」
「……そう。」
彼女はご機嫌でグラスの氷をカランと鳴らす