第125章 俺と彼女
トイレの扉を開くと抱き着いて来た彼女を受け止める
「……何」
「イルミさんがいてる!」
「……朝からそればかりだね。」
「めっちゃ重要な事です」
なんて言った彼女は自身の胸に顔を埋める
抱き締め返す代わりに背中をポンポンと叩けば彼女はすんなり離れた
「お風呂入ったらまた飲みますよ!今日は良い日ですから!」
「はいはい。」
「イルミさんも飲むんですよ!」
「解ったから。」
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先にお風呂をと勧められてシャワーを浴びて湯船に浸かる
最初の頃は窮屈に思っていた湯船も気が付けばリラックス出来る場所に成っていた
「湯加減如何ですかー?」
「…………。」
風呂の扉を隔てた場所から声が聞こえる
湯加減なんて今まで一度だって訪ねて来た事は無かったのに
「イルミさん……?!イルミさん!」
「……はぁ………。」
「湯加減「別に何時もと変わらないよ。」
「入浴剤入れます?」
「………。」
「………イルミさーん!!」
「………そんなに気に成るなら一緒に入る?」
「キャーーーーーー!!!!な、なな何言うてるんですかっ!!」
自身の言葉に彼女の悲鳴は遠く成って行った
ドタバタと騒がしい足音の後に大きな物音がして彼女が転んだのだろうと予想が付いた
「………まったく……。」
クスリと笑みを落とす
その後「ごゆっくり!」と言い残した彼女はきちんと洗面所の扉を閉めた様だ
彼女が傍に居ると自身が風呂場から出られないという事は彼女の頭に無かったのだろうか……
普段より随分長湯に成っていた
その後交代で入浴を済ませた彼女は自身とは相反して随分早い入浴だった