第125章 俺と彼女
11月10日
彼女はその後ぐっすり眠っていてカーテン越しに照らす陽は高く時計の針が指すのは昼を過ぎた頃
自身は何だか眠れずにぼんやりとコーヒーを飲んでいた
テレビも付けずに只窓から吹き込む風を感じているとバサリと布が擦れる音がして視線を遣れば彼女が飛び起きた所だった
「イルミさん!」
寝癖の付いた髪とは裏腹にパッチリ開いた瞳は輝き、満面の笑みを浮かべている
「おはよう」
「~っ!おはようございます!」
彼女は狭い室内で自身に駆け寄ると勢い良くぶつかって来た
正確には少し手前で躓いて転んだらしく受け止めた
何も無い場所で躓く彼女はやはりそそっかしい
「イルミさんイルミさん!!!」
「何」
自身の膝の上に倒れ込み此方を見上げた彼女はだらしが無いくらい幸せそうな笑みを向けた
「朝ごはんにしましょう!」
「昼だけどね」
「何でも良いんですよ!とにかくご飯です!」
「うん。」
言いながらキッチンへ走った彼女だが直ぐに洗面所に向かい直して歯ブラシを咥えて自身の隣へ腰をおろす
「…………。」
チラリと見遣ればニッコリ微笑まれてしまった
その後元気良くキッチンで動き回る彼女に視線を向ける
歯磨きも洗顔も済ました彼女だが寝癖は其のままになっていて彼女が動く度にぴょんぴょんと跳ねていた