第14章 朝のヒトコマ
彼は私を軽く横にずらして先に布団から出て行った
携帯は立ち上がった後に私の隣にポイっと放られた
中を確認すると写メは削除されていなかった
「………イルミさん正直な話ししましょう」
「なに?」
「引きました……よね?」
「ドン引き」
「……………っ……ですよね」
彼の布団に座り込んだまま動けない
「うそ」
「えっ!?」
「俺も持ってるし沙夜子の寝顔写真」
「えっ!?見せて!」
「嫌」
「絶対ブスやから可愛く加工させて!!!」
「そこ?」
「イルミさん…………絶対嘘でしょ」
「うん」
「だから正直にほんまの事言って!」
「何で撮った事隠してたの?」
「………えっ、普通に気持ち悪いでしょ?キモいって思われたくないし」
「別に思わないけど……気持ち悪い事なんだね。覚えておくよ」
「待って!!キモくない!キモくないよな!!」
「沙夜子のテンションついていけない」
何でもない朝のヒトコマ