第123章 足りない景色
彼が此の世界にまだ存在するのだとやっと確信が持てる頃にはすっかり夜が明けていてテレビからは『おはようございます』なんて言葉が聞こえた
私は気が付けば二日間眠らずに過ごし食事も取っていなかったが睡魔も食欲も今の私には皆無だった
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11月09日
私はまるでロボットの様に無心で仕事に向き合っていた
「おいさーや……まじで大丈夫か?俺結構本気で心配」
「ナニガ?」
「あかんやつや……」
「うぅ"…………」
「!!!おい!泣くなよ……情緒ぶっ壊れてるやんけ…」
「ダイジョウブ」
「………笑わんとけ……無理矢理過ぎて痛々しい」
「………。」
藤木の焦りぶりから私自身相当キている事が伺えたがどうする事も出来なかった
彼が此の世界にいると解ってもまだヒソカさんとの仮説があり、もしかしたら……なんて考えると不安でどうにか成りそうだった
クロロさんに其の件を聞かなかったのは恐らくクロロさんもヒソカさんの所在を把握していないからで、何も言って来ないという事はイルミさんが帰って来ていない事もクロロさんは知らないのだろうと思ったからだ
彼が居なく成って3日………私はぼんやりと生きていた
歩いている感覚も無く只時間が過ぎて行く
家に帰ると昨晩の夕飯が其のままだった事に気付き全て捨ててしまった