第122章 雨と神社と山道
11月のある日
私達は今和歌山県の活海料理い○さに来ていた
お目当ては今目の前に運ばれて来た加太の真鯛ミニコース
「美味しそう……!!」
「うん。」
________"
遡る事午前10時過ぎ
窓の外からはいつの間にかアスファルトを叩く雨音が聞こえていて
私はゴロゴロと部屋を転がりながらテレビを見ていた
平日ながら何故ぐうたら部屋で過ごしているのかというと会社がシステムメンテナンスの為に休みなのだ
彼は通常通り仕事の為に朝早く作業着を身に着けて髪を緩く纏めた姿で後ろ手で手を振りながら出て行ってしまった
小さく成る背中を何時までも見ていたが
「早く帰って来やんかなぁ………」
なんて言葉がポツリと漏れる
そんな中テレビの情報番組から流れた台詞に視線を向ける
『関西の美味しい海鮮』
なんて魅力的なテロップに惹かれて見れば真鯛のミニコースと言って紹介されたランチは其の名とは裏腹にたっぷりなコースでお値段はランチにしてはお高い気もするがどれも上質そうな料理には相応なのだろうと納得した
リポーターの水○アナの表情が心底美味しそうに綻んで私はごくりと生唾を飲み込む