第121章 妄想女子と勘違い
「MMD動画と言いまして、此方の世界のファンが作った素敵な動画です!で、このキレキレのダンスカッコいいし、実際のイルミさんが軍服とかで踊ったら此れの1000倍カッコいいんやろなぁって妄想しながら動画を見るのが私の新たな趣味でして…………なんか本人にバレるの気まずいし………恥ずかしいし………キモいって思われるかなって………隠してしまってたんです。で、イルミさん気付いてるって言うから……」
「何それ……馬鹿らしい。」
私の説明を聞いてまた溜息を付いた彼
「で、あの………結局イルミさんが思ってたんと違ったんですよね?私他に隠してる事無いんですけど………イルミさんは何に気付いt……」
私が言い終わる前に彼は目の前から忽然と姿を消していた
「あれ……?!」
洗面所からドライヤーの音が響き、やっと彼の居場所を把握する
彼がこの家にやって来て目にも止まらぬ早さで動いたのはこれが初めてかもしれない………
何事も無かった様に髪を靡かせる彼の横顔を眺めつつ考える
彼の言葉で引っ掛かる点と点を合わせて行く
「邪魔になる」「話す」「野郎」等から推測するに………
(………イルミさんもしかして………)
髪を乾かし終えた彼はまたもや座椅子に座るが何も語らない
私は居ても立ってもいられずに声を掛けた