第14章 朝のヒトコマ
1月のとある休日の朝
彼よりも早く目覚めた
最近50%の確率で彼は私より遅く起床する
何となく今までより心許し警戒を解いてくれた様な気がして嬉しくなる
普段燐と涼しげな彼が布団にくるまって丸くなる姿は何ともあどけなく可愛い
こっそり無音カメラで連写する
(きゃわゆい………!!きゃわゆいよイルミんっ!!!!)
密かに心の中でイルミんと呼び盗撮をしている私はかなり気持ち悪いだろうが
無防備なイルミさんを前に荒ぶらずにいられる筈が無い
にじり寄って眺めてみる
スースーと静かに規則正しい寝息をたてる彼
あまりの美しさに静かに身悶えているとゆっくりと大きな瞳が開いた
「お、おはようございます」
至近距離で覗き見ている時で無く自身の布団にいる為セーフだ
「おはよ」
寝起きの彼は何時ものパッチリお目目が半分程しか開いておらず
本当に気を抜いた表情をしている
思わずカメラを向けて激写する
「………」
「イルミさんの寝起きゲットです!」
あはは、と笑っていると腕がぬっと伸びてきて手首を捕まえられてしまった
(ヤバい写メ消される!!)
と思っていると彼に引っ張られて膝立ちしていた私は体制を崩して思い切りイルミさんにダイブしてしまった
イルミさんは抱き止めるなんて事無く私と共に布団に沈んだ
目前には彼の逞しい胸板……私が彼にのし掛かっている体制だ