第121章 妄想女子と勘違い
現実に存在する彼を身近で目の当たりにしているからこそ本物の彼の姿と被せて見る事が出来るのだ
私の逞しい想像力はフル活動し、目の前の彼に軍服を着せる
そして其の並外れた身体能力を生かして彼は踊るのだ
(ふおおおおおおおおッ!!!!やっばいッ!!!!かっこよすぎる!!!!!!キャーーーーーーーーーー!!!!!!)
なんて脳内で荒ぶっていると彼は深く息を吐き
「何。」
呆れた表情を浮かべた
「いえ、別に」
なんて言った私だが何でも無い訳が無く妄想は止まらなかった
「………私お風呂入ってきます!」
「うん」
…………しかし本人に言える筈も無く大人しく入浴を済ませる
その間も動画の様に踊る彼の妄想は止まる事を知らず、彼がドライヤーを使用している間私は隙を見て動画を開いてしまった
(…………はぁ……!堪らん……かっこよすぎる………)
なんて夢中に成っていると
「何をこそこそしてるの。」
「ッ!!!!」
直ぐ傍で声を掛けられて飛び上がる
即座に画面は切り替えたものの彼を見上げる事が出来ずにいると
「ずっとニヤけてるし。」
「あはは………」
「ポルノでも見てるの?」
「~っ!!!違いますよ!!!」
間の抜けた声で放たれた言葉にカッと頬が熱くなり思い切り彼を見上げると「そうなの?」なんて平然と言いながらキッチンへ消えた