第121章 妄想女子と勘違い
ヒソカさんの事は気まずくて聞けなかったが毎日外食だから味にバラエティーが欲しい、なんて言う辺り料理をするヒソカさんが帰らず一人であのマンションに居るのかも……なんて考えたが其れは何となく彼にも言わなかった
帰宅して夕飯を準備し、二人並んで食事を済ませて交代で入浴をする何時もの流れ
ザアザアと浴室から音が成る中私はニヤニヤと気持ちの悪い笑みを隠す事無くスマホ画面を見詰めていた
……実は私には強烈にハマっている趣味があるのだ
【MMD】観賞である。
本来はソフト名であるが今や動画を指す名称と成った其れは3次元空間でキャラクターが踊る素敵な動画で、私には魅力的に映っている
昔から好きではあったのだが彼と住み始めてめっきり見ていなかった其れをつい2日前彼の名前で検索した所、キレキレで踊る姿に胸キュン過ぎて夜を明かしてしまった程だ
興奮冷めやら無い私は不気味なニヤニヤ顔を隠せる気がしないので彼が気付かぬ入浴中を狙って観賞しているのだが風呂場の扉が開く音が耳に届き直ぐ様スマホの画面を切り替える
正直………全然時間が足りない………
(まだあの動画見れてないし……あ、あれも中毒性あるよなぁ……もう一回見たいなぁ………)
見付けた動画は軍服で踊るアダルトリオや浴衣姿、劇場版で披露されたチャイナ服等様々なコスチュームで踊るイルミさんの数々で正直見飽き無いのだ。永遠に見ていたい………
開いた洗面所の扉からロングTシャツにスウェット姿で出て来た彼は座椅子に腰掛けると徐にテレビを付けた
濡れた髪をタオルで拭う所作すらも麗しい彼の筋肉質な腕は腕捲りされた袖口から其の素肌を覗かせていて見惚れてしまう
チラリと此方に視線を寄越した彼と目が合いドキリと心臓は跳ねた
私が動画観賞に駄々ハマるもうひとつの理由