第120章 ハロウィンの夜
正直気が気では無い。取り囲む女性達はナースやミニスカポリスと何ともセクシーで私とは違って色気があるのも私を不安にさせた
楽しかった気持ちは今は何処へ消えたのか胸に溢れるのは不安や焦り、醜い嫉妬だった
直ぐ様彼の元に向かいたかった私を阻むのはシャン○スとまさかの岸辺○伴で、精一杯笑顔を作りながらもジリジリと彼への接近を試みる
「ジャス○ンめっちゃ似合ってるやん!他の子より可愛いから話したかってん」
「あはは、そんなお世辞良いよー!其れより私ちょっとあっちで飲みたいから、ごめん!」
「良いよ、飲もう飲もう!」
(着いてこんといてー!!!!!!)
一気にカウンター席に近付いたものの女性、イルミさん、女性、シャン○ス、私、岸辺○伴というまさかの席割りに成ってしまった
とにかく私は女性と彼の会話に耳を傾けて申し訳ないが二人の声を無視する
「イル君めっちゃカッコいい~此方向いて~!」
「煩い」
「冷たいけどそんな所も好き~!」
「…………。」
何とか聞き取れた彼と女性達の会話はなんとも一方通行だった
しかし不安が消える訳も無く、私はお酒をガンガン煽る
その間隣にいる二人と何かしら会話はしたが全て忘れてしまう程頭が回っていなかった
女性越しの彼をガン見していると彼は実に悠長な所作で此方を向いて心臓は一気に跳ねた
しかし彼の大きな瞳は冷たさを湛えていて其の鋭い視線がグサリと刺さった
せっかくのお楽しみ中だったのに私が近付いたせいで邪魔してしまっただろうか……彼女面しないで、って感じだろうか……
途端に気分がどん底迄落ちて行くのが解った