第120章 ハロウィンの夜
仕事帰りのサラリーマン、OLさんから主婦の方迄彼に視線を送る
「執事服なんて初めて着た。」
「天下のゾルディック家のご子息ですもんね」
「うん」
謙遜が無いのが彼らしく笑みが漏れる
暫くして到着したバーは程好い広さで洒落た店だった
開いた扉にはハロウィンイベント開催中の文字が書かれたボードが下げられ私達のグループ以外も各々が仮装を楽しんでいる様だった
店中ハロウィンで飾られた空間は逆に仮装していないと目立ちそうな程本格的だ
「おーっす!さーやイルさん!」
私達を見付けて話し掛けて来た藤木はまさかのドラゴン○ール、べ○ータ様だった為に爆笑してしまう
「謎チョイス!」
「俺はウケ狙いやから良いねん!笑え笑えー!………で、さーやは何にしたん?」
「ジャス○ン」
「亜弥南がノートルダムのエスメ○ルダやから浮くかも言うてたけど似たような奴おった!」
(………え、浮くの?)
思いながらも上着を脱いだ私は藤木が予約してあったテーブルに付く
見渡したテーブルには約10人程の男女が既に集まっていて藤木の友人らしくフレンドリーな人達だった
次々挨拶を交わして来る人達は鬼灯○冷徹の鬼灯様だったり、○雪姫だったりワン○ースのシャ○クスや美女と○獣のベルなんかもいて会話を交わすだけで楽しい
藤木や亜弥南ちゃんが中心と成って話題を回してくれるので私は直ぐに溶け込んだ
カクテルを片手にパーティーは進みどれだけの時間が経ったのか
店に来ている他のお客さんも巻き込んで店内は大盛り上がりなのだが私は彼が気になって仕方がない状況に陥っていた
トイレに行くと言ったっきり少し離れたカウンターで一人酒を煽っていた彼に気付いたのは先程で、其れに加えて彼を取り囲む様に女性が彼に話し掛けているのが目に入ったのだ