第120章 ハロウィンの夜
やはりなかなかお値段が高かった衣装は上質かつシックで
長め丈の燕尾服を完璧に着こなしていた
うっすらストライプの白いシャツに黒いネクタイ、胸元にはサービスで付いていたユリの造花が添えられ其の白と黒のコントラストが彼の美しい容姿を際立たせている
ネクタイを気だるげに整える彼の手には白い手袋がはめられており
ゆっくりと此方を向いた彼は潔癖にすら感じる凛とした雰囲気に何処か妖しさを混じらせていた
「完璧すぎます………イルミさん………いや………イルミ様……完璧なセバスチャンですよ………黒○事ですよ……悪魔で執事ですよ……!」
感激のあまり挙動不審な私を見遣り僅かに眉を動かした彼
彼の整った顔立ちはまるで作り物の様でキッチリと着込まれている筈なのに其の佇まいには色が香る
「此方に目線お願いします!!流石イルミ様ッ!!!!」
なんて大興奮でスマホを連写する私だが彼は早速慣れた様子でスルーしている
「沙夜子は何の衣装なの。踊り子?」
なんて首を傾げた彼
「此れはディ○ニープリンセスのジャス○ンです!小首傾げいただきましたッありがとうございますッ!!!!」
「…………。沙夜子は其れで行くんだよね」
「はい!あ、今の伏し目も素敵です!!!」
「上着着なよ」