第120章 ハロウィンの夜
10月31日
私は震えていた。
藤木にハロウィンパーティーに誘われ、参加する事に成っていた私達は夕方に成り其々リビングと洗面所にて衣装へ着替えていた
アニメ縛りという事で大いに悩んでいた私に藤木から掛けられた言葉は「女子はディ○ニープリンセスで揃えたいらしい」との事で
彼をドキドキさせたい一心で選んだア○ジンのジャス○ン衣装……値段も低予算ながら他のプリンセスに比べればクオリティも高いという利点も背中を押した
足りない長髪は付け毛で補ったものの………
思いの外露出度が高かった。
寒い上に恥ずかしい。
私は狭い洗面台の前でまんじりともせず立っていた
コスプレなのだからとアラビアン風に濃いメイクで鏡を見詰める自身の姿
問題はダボッとしたズボンがうっすら透けている事だった
低予算とは言ってもそこそこお金を出した甲斐もありクオリティは決して悪く無い
しかし……………ズボンが透けているとは如何な物か
色気も糞も無いベージュパンツを履いたのだがそれはそれでまるで下着を身に着けていない様に見えて私は頭を抱えた
下着が丸見えなのと、下着を身に着けていないと思われるのは同等の羞恥だ
私は衣装と比較的似た色のショーツを取り出して身に着け鏡の前に立った
(………案外いけるんじゃない……?)
鏡に映し出された姿は衣装の作りでショーツ部分は布が二重に施されている様に見え先程より幾分かマシに見えた
扉越しに呼び掛けると用意は済んだとの事なのでそっと扉を開くと同時に全身に電気が流れた様な衝撃を受けて思わず奇声を上げる
「ヤバいヤバいヤバい!!!!」
「………。」
原因は其所に立っていた彼の姿