第118章 月夜の湯煙
充分な広さが確保されているものの広すぎない空間は落ち着く木目調で統一されており3つ並んだ洗面台の腋には種類豊富なアメニティグッズが取り揃えられていた
その中に資◯堂のジ アメニティを見付けて手に取り眺める
昔友人に此れのアロマシャンプーとボディクリームを誕生日プレゼントで贈った所、香りがとっても良いと評判だったのだ
勿論プレゼントなので私は使用した事も無いし自分に買うには少し高価な気がしていた代物だった
「まさか巡り会えるとは………!」
なんて感動していた私だが良く考えれば彼と混浴なのにがっつり洗髪する馬鹿がいるだろうかと冷静に成る
「イルミさん、これって部屋にも同じやつあり………っ!!!!!」
振り向いた私の瞳に飛び込んで来たのは帯を解いて下着を露にした彼の姿だった
その暴力的な迄に完璧なスタイルに息の根を止められそうに成った私は固まってしまっていたのだが力の抜けた手からアロマシャンプーが床に落ちてガツンと経てた鈍い音で覚醒し慌てて背中を向け壁を見詰める
(………びっっっくりしたぁ……………)
正直驚き過ぎて心臓が飛び出すかと思った……。
布の擦れる音が耳に届く
足元に転がったシャンプーを拾う余裕も無く木目をガン見する
私は一体どうすれば良いのか……只彼に背中を向けて壁を見詰めていた私だが彼に名を呼ばれて心音が跳ねた
「タオル巻いたからもう大丈夫だよ。」
「………あ、はい………」