第117章 広がる世界の話し
違う話しをリクエストした為に次こそは私では無い知らない女性の話しが始まってしまった事に気分が一気に沈んで行くのが解った
「室内で転んでテーブルで足を打ったんだって。痛かったけどたいして意識せずに歩き出したら足に違和感があった………ぶつけた足を確認してみたら………」
(………………?!…………あれ?また私の話しじゃない……………?)
「足の親指に何処から出て来たか解らない鉛筆が刺さっていてその痕がホクロに成ったんだって。」
「…………っ………」
やはり予想は的中し、私の下らないエピソード話しだった
「ほら、こっちのここの所」
なんて言いながら私の親指をトントンと指先で突っつく彼
私はいよいよ彼が理解出来なかった
「………知ってます」
「沙夜子はそそっかしいよね」
「……まぁ……否定はしませんけど……。」
どうやら彼には明白なお題を挙げる方が良い様だが良いお題が直ぐには浮かば無い
「イルミさん……」
「何。」
「私以外の話しをしてください……」
これなら他の話しが確実に聞ける上に彼の話したい事が話せると思った
「………俺、他人に興味無いんだよね。」
短く冷たい台詞に嫌に早まる鼓動は"お前に興味が無い"と言われている様な気がしたからで私は途端に俯いてしまった