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ここは私の部屋です【HUNTER×HUNTER】

第116章 ドキドキのスカート






玄関で座り込んだ彼女は自身の足を下敷きにしている

軽く力を入れれば容易く彼女を退かす事は出来るのだが其れはせず敢えて彼女に構うのは自身がそうしたいのだろうと思うと溜息が漏れた


「………俺の足踏んでるんだけど」


「あーごめん!」


「良いけど」


ふらふらと立ち上がった彼女が倒れそうに成ったので支えると身体に凭れ掛かってきた

暖かな体温が伝わり彼女の香りがふわりと込み上げた


「水飲みな。」


「いらん」


動く様子も無く自身にしがみついた彼女を持ち上げ座らせてキッチンから水を持って行くと言葉とは裏腹にごくごくと飲み干した


「イルミン!」


彼女が自身をこう呼ぶ時は大抵次の日には記憶が無い


「なに」


「イルミンはずるい!」


「どうして」


「格好いいし、スタイル良くて優しくて強いし可愛いし……とにかくずるい!」


「ふーん。沙夜子の方が可愛いよ」


「嘘やな!?」


「さぁ、どうだろう」


………本当だよ。だけど沙夜子は忘れちゃうんだから俺よりずるい。



「…………今日はイルミンをドキドキさせる作戦やったのに失敗したしー!!!」


「失敗だったね。」


「ファスナー!」


そんな作戦俺は知らない。
嫌いって言った香水もすっかり色が無くなった真っ赤なリップも俺の為だったの?


彼女の作戦は十分成功だった。焦った彼女を思い返してクスリと笑みが漏れる

だけど口には出さない


「壊れてたね。あれは捨てなよ」

「捨てるよあんなもん……」


言うなり彼女は床に転がるとそのまま眠り初めてしまった


「………沙夜子」

返事は無く早くも寝息が聞こえる

「………起きなよ。風邪引くよ」

白いシャツにタイトスカート姿の彼女は余りにも無防備に身動ぎをする


黒いタイトスカートから伸びる足はストッキングに覆われ素肌では無い分もどかしく感じたりして


(………何考えてるんだか………)

毛布を掛けて視界に入らない様にした


「……はぁ……俺はもう少し飲むから」


グラスに注いだアルコールが氷を溶かしてカランと音が鳴る


彼女の寝顔を眺めると間抜けに開いた唇が無性に愛しい


「………おやすみ」


静かな部屋に響いた声が妙に柔らかく感じ気持ち悪くて黙ってグラスを傾けた




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