第116章 ドキドキのスカート
そうなればファスナーがより開いて紫を強調してしまう
しかしこのまま間抜けな格好で平気なふりをした場合気でも違ったのかと思われる事は間違い無い
私は深く深呼吸をすると素早くファスナーが付いていない腰回りがゴムに成ったタイトスカートを取り出した
其の間ジジジとファスナーが開く音が嫌に響いたが私はカモシカの如く素早い所作で颯爽とリビングを駆け抜け洗面所へ逃げる事に成功
鏡に映った私の表情はまさに虚無だったが淡々と着替える
脱いだスカートを拾い上げてファスナー部分を確認するが完全にイカれていて使い物に成らず即ゴミと化した
新たなスカートを身に付けた私
先程と変わり無い見栄えに最初からこのスカートを選ぶべきだったと後悔したが後の祭りなので考え無い事にする
………リビングに戻るのが非常に気まずい………
出来れば戻りたくない。
大好きな彼に間抜けなスカート姿で紫を丸出しにして鼻歌を歌い洗い物をする姿を目撃されたのだ…………死にたい………。
………鼻歌なんて歌わなければ良かった。
私は暫く狭い空間をうろうろした後にそっと洗面所の扉を開いた
テレビ画面のアナウンサーが冷静にニュースを読み上げる中彼はちゃぶ台に頬杖を付いて此方を見ていた
「………」
「………」
(クッ………………!!!!なんでこっち見てるねん…………ッ!!!!しかも何も言わんし………!)