第116章 ドキドキのスカート
洗い物を済ませて部屋を振り返る
テレビを付けてニュース番組を見ていた彼はチラリと此方に視線を向けた
「珍しい格好だね。」
「あ、はい。たまには良いかな……と……」
「ふーん。………仕事、其れで行ったって事だよね」
「………はい。」
「スカートのファスナー壊れてるよ」
「は………えっ!?!?!?」
彼が反応を示してくれた事に喜んでいた私だがまさかの指摘に慌てふためく
ファスナーが壊れてる………!?
私は直ぐ様洗面所へ行き鏡の前で背後を確認して絶叫した
「丸出しやんっ!!!!!」
昼休みに確認した際は完璧に閉まっていたファスナーだが中間部分がパッカリ開けて丁度お尻が丸出しに成っていた
一気に嫌な汗が吹き出す
サラリーマンが見ていたのはこういう事だったのか………と考えると帰り道では確実に丸出しだったらしい
ストッキングから透けて見える下着はまさかの紫と毒々しく私は全身で震えていた
ロケットの様に屋根を突き抜けて飛んで逃げられたなら………なんて一瞬で現実逃避する程今の私は間抜けだった
「………いつから気付いてました?」
「沙夜子が洗い物に立った時から」
しれっと言った彼
香水より先にツッコめよ!!!と言う言葉が羞恥の余り喉に詰まった
「きっ……!着替えます!」
「うん」
私は急いで洋服棚の前に立ったのだが問題点に気付く
棚から新たなスカートを出すには少し屈まねばならずそうなると彼の座る方向にお尻を突き出す形に成る