第113章 彼女の気持ち
その後私達は海を眺めたり洲◯城を散策したりした
ここまで実質植物館の料金くらいしか掛かっておらずなんともお得な旅だがお金を掛けずとも楽しかった
フレンチの予約時間に成りやって来たのはリゾレッ◯
店内撮影禁止なんてルールがあり、私には敷居の高いお店だったのだが
彼が荒稼ぎした旅行資金が余ったとの事で食事につぎ込む事に成ったのだ
人が映らない様にテーブル上の撮影は許可を貰いOKが出たのでワクワクしながら席に着く
白と茶色を基調にした店内は落ち着いた雰囲気が漂っており
聞き馴染みの無い交響曲が控え目に流れていた
予約の際にコース料理の予約はしていたがドリンクを聞かれてはたと気付く
「イルミさん」
「なに」
「イルミさん飲めないですよね………」
「そうだね。沙夜子は飲みなよ。」
「………じ、じゃあ一杯だけ……」
「どうせもっと飲むでしょ。一本頼みなよ」
「一本って!…………高いですよ………」
小声である。
そりゃ敷居の高い店に庶民が来ているのだから当然なのだが最安値でも5000円と、私には勿体ない値段だった
「これ一本頂戴」
「っ………」
店主の寡黙な男性は短く返事すると去っていった
………彼が頼んだのは13000円のワインだった
「ほんまに大丈夫ですか……」
「心配無いよ。財布見る?」
「いえ……結構です………」
今回財布を握っているのは彼であり旅行に関しても彼が全て予約を済ませてしまったので実際どれ程残っているのか私は把握していないがしっかり者の彼の事なので本当に平気なのだろう……