第111章 車内で恋話
「いきなりですね………うーん……幼稚園くらいやから4歳とかでしょうか」
「…………ふーん。今まで何人と付き合ったの?」
何故彼が恋話を始めたのかは謎だが…………本当に興味があるのだろうか甚だ疑わしい
「………三人です。三人って言うても小学生時代のお友達みたいなんも入ってるから……実質二人ですけど……」
「………へー。」
(……棒読み………絶対興味無いやん………)
「………初キスはいつ?」
「え?!………それほんまに興味あります?!………大体さっきから私ばっかり答えてるじゃないですか。イルミさんも答えてください!初恋は?何人の方とお付き合いしました?!」
正直私はめちゃくちゃ興味がある
ごろりと彼の方へ寝返りを打てば大きな瞳と目が合った
「………初恋は忘れた。付き合った事は無い。」
「………絶対嘘やん」
彼の事なのでその容姿から交際人数は三桁代と踏んでいたのだがまさか0とは思いもしなかった
しかも初恋なんて縁もゆかりも無いと思っていたのに初恋経験はありその想いはどうやら実らなかったらしい…………
私が想いを寄せる彼にはかつて想い人が居た……その事実は私の心を抉ったが気付かないふりをした
予想とのギャップに思わず否定すれば
「本当だよ。因みに初キスは5歳の時(赤ん坊のミルキに)」
なんてサラリと答えられてしまった。………しかも早かった………
「……………」
「さ、答えたよ。沙夜子は何歳?」
「えっと………15歳です……」
「ふーん。……で、初体験は?ついでに経験人数も」
彼の意図が読めずに居心地が悪い
気まず過ぎる質問にじんわり汗をかいた