第110章 執事服の想像
「だってイルミさんですよ!?完璧なイルミさんには完璧な衣装が必要ですから!!!」
「…………俺にそんなの要らないよ」
「嫌です!!!絶対これが良いんです!!!私は其の残りでコスプレ買いますんで!!!」
「……………沙夜子が其れで良いなら良いけど………。」
「やったぁーっ!!!!!!!」
私は彼の膝上でバタバタと身悶えて床に落ち頭を打った
「………で、沙夜子は何するの?」
「っ………え、………考えて無かったです……」
「沙夜子は馬鹿だね」
言葉とは裏腹に優しい声色に顔を上げると胡座をかいたまま上体を折った彼の顔が近く頬にサラサラと絹糸の様な真っ黒な髪が流れた
ドキドキと高鳴る胸
ゆっくりと視線が交わる中
「夕飯……外で食べる?」
「え、あぁ、そうですね」
漂っていた雰囲気とは全く違った台詞に私達は即座に立ち上がり何事も無かった様に部屋を出た
_____________"
「イルミさん何にします?」
「………良く知らないのが多い」
私達は近所の某居酒屋チェーン店鳥◯族に来ていた
半個室に成った空間は騒がしい喧騒を感じさせながらも一応二人きりの空間だ
私が注文したチャンジャとピリ辛キュウリが届きアルコールで乾杯する
「なんか変な感じです」
「何が。」
「イルミさんと普通に居酒屋おるんが不思議です」
「そうだね」
同時にグラスに口を付ける
「………イルミさんパーティー嫌ですか……?」
「………気乗りはしないけど沙夜子が行きたいなら良いよ」