第110章 執事服の想像
「誰が来て規模はどれくらいな訳?良く解りもしない集団と酒を飲んで何が楽しいの?俺は楽しく無いね。」
「………えと………今から電話して聞きま「今から藤木に?……ふーん。何も聞いていないのに行くって言ったんだ?ずっと言ってるけど沙夜子は迂闊なんだよ」
楽しくワクワクとしていた気持ちが一気に沈んで行く
何だか胸が痛いしムカムカとした
「私まだ行くとは言ってません!場所は知らんし規模も知らんけど知り合いのバーって言うてるから広くはないんじゃないでしょうか……やし、藤木の他の友達も彼女も来ると思います!」
「…………はぁ…………。」
私の言葉にがしがしと頭を掻いた彼は大きな溜息を漏らした
「………解ったよ。ちゃんと話は聞いたんだね、…………俺が勝手に決め付けたのは…………悪かったよ……。」
「っ………私もすみません……」
彼はバツが悪そうな声ながらも真っ直ぐ私の瞳を捉えていた
途端に軽くなる心
「あの………パーティーは強制的に誘われたんじゃなくて……私が行きたいって言いました……。でね?色々イルミさんとのハロウィンを考えたんです………行く場所無いし家で過ごすより楽しいかなって………私なりに……考えて………」
ポツリポツリと言葉を紡いだ私の声を彼は黙って聞いていた
そして
「で、俺の仮装はどんななの?」
「………っ!」
普段よりも優しい声色はじんわり胸に染み込んで息が詰まった
「……イルミさんのんめっちゃ格好いいんですから!」
私はただ嬉しくて胡座をかいた彼の脚へ傾崩れ込んだ
「見てください!奮発します!」
「………高いよ」
彼は私の行動には触れずにスマホ画面を見詰めてポツリと呟いた
彼の金銭感覚は随分私寄りに成ったらしい
此方で働いているというのも大きいかもしれない