第110章 執事服の想像
銀髪というハードルはあるがやはりウィッグを被るより其のままの彼の方が素敵な気がする
アニメを思い返し衣装もゴージャスだし絶対に似合うと確信した
そんな事に夢中に成っていると台本の台詞を何度も噛んでしまったが無事終業して帰路に付く
早速殺生丸様の衣装を検索するが彼が身に付けるには安っぽい物の様に見えて落胆した
彼にコスプレしてもらうのだ予算は10万円を考えている
欲しいコートがあり昨年からコツコツと貯めていたものなのだが
彼のコスプレ衣装の方が余程大切だ。何せ一世一代の機会なのだ。
其れに比べればコートは何時でも手に入る
私のリサーチ力では高貴な彼に相応しい殺生丸様衣装を見付けられず行き付いた先は◯執事のセバスチャン・ミカエリスの衣装だった
和服と違い漆黒の執事服のクオリティーは同じ値段でも随分違って見える
彼の怪し気で凛とした雰囲気を持ってすれば完璧な悪魔執事の完成では無いだろうか
(ふおおおおおおッ!!!滾ってきたああああッ!!!)
私は夢中に成って探した
彼に相応しいとっておきのセバスチャン衣装をそして私の凄まじい執念で辿り着いたネット通販サイトには私の理想に限りなく近いクオリティーの執事服が売られていた
勿論形はセバスチャンの物
お値段79800円…………買いだな。
普段の私ならば度肝を抜かれる値段だがコートをかなぐり捨てた私には造作も無かった
(見付けましたイルミさん………ッ私の夢と希望を……………!!!)
私が天井高くガッツポーズを掲げたと同時に帰宅した彼は思い切り怪訝な表情を向けていた
「あ、お帰りなさい!まだ夕飯準備して無くて……」
「………ただいま。」
彼は言いながら仕事用バッグからお弁当箱を取り出すと洗い物を始める