第109章 同居人を迎える心構え
「………ペット………?」
ペットとは一体何だっただろうかと言葉の意味を考え直す程の戦慄が身体中を駆け巡っていた
「放して良い?」
「あかんッ!!!!!!」
「………どうして?」
「いきなり蜘蛛連れてきてペットですって言われて放し飼い出来る訳無いでしょ。」
「………前にさゴキブリ出たでしょ?で、1匹いたら100匹いるんだっけ……。其れならゴキブリの天敵を飼えば良いと思ったんだよ」
「…………天敵。まさか………噂のアシダカグモさんでしょうか………」
独り暮らしを始めた当初虫嫌いな為にゴキブリ対策を必死に検索していた頃に知った生物だった
「なんだ、知ってるんなら話しが早い。生態知識は?」
「…………ゴキブリ食べる、くらいしかありません………」
「………そう。じゃあ説明を聞いた後に沙夜子が判断してくれれば良いよ」
彼はそう言うと座椅子に座り、蜘蛛の入ったタッパーをちゃぶ台に置いた
異様な光景が広がる
私は気分的に何だか嫌でタッパーをそっと床に降ろした
「…………。」
「…………。」
「アシダカグモ、通称アシダカ軍曹」
「………軍曹………」