第109章 同居人を迎える心構え
「ゴキブリは人類の敵です。雑食やから何でも食べるんですよ……石鹸とかも………そのくせあんまり食べんくても生きれる生命力………頭が無くても生きれるらしいです……」
「………へぇ」
「危険察知したら時速150キロで移動出来るらしいし瞬間的にIQが340超えるとかで悲鳴上げる人に向かって行くんですって………しかも適応力も凄くてちょっと前の殺虫剤とか直ぐに効かんなるんですよ……?!」
屈み込んだ彼は繁々とまだ生きているゴキブリを眺めている
何故そんなにじっくり観察出来るのか神経を疑う
「……チンされても暫く生きてるとか聞いたし………1匹見つけたら、100匹いると思え。とか言う言葉があるんです。繁殖力強いから直ぐ増えるらしくて…………」
「好きなの?」
「大っっっっっ嫌いです!!!」
「大嫌いなのに詳しいんだね。」
「退治する為の知識です!!!」
「ふーん。」
彼はそう言うと針を摘まむ様にゴキブリを拾い上げてベランダから一階へ思い切り叩き付けた
「その針………捨てないんですか?」
「捨てないよ。特注品だからあんまり無駄に使うと此方では補充出来ないし」
「…………そっか。」
至極真っ当な理由なので納得はしたのだが私なら捨ててしまう、とは口に出さなかった