第12章 摘み取るなら早い内
画面を覗き込むと彼は届いた写メを眺めていた
画面に写っているのは可愛いペンギンとめちゃくちゃ嬉しそうに満面の笑みを浮かべた私
(………私何か間抜けやな……イルミさんペンギンめっちゃ好きやん)
「ペンギンがやっぱり一番ですか?」
「そうだね。狼も可愛かったけど」
「可愛いですよね!!」
ポツポツと会話をしつつも彼はスマホにかじりついていた
実は新しい物好きなのかもしれない
夕飯は豆腐のお味噌汁、鯖の塩焼き、冷奴、だし巻き玉子を作り平らげた
相変わらず"美味しい"と言ってくれるイルミさんにキュンとした
(何か忘れてる様な………)
夕食も終わりまったりと寛ぎ
私は読書をイルミさんはコーヒーを片手にニュースを見ている
本当に不思議だが彼との沈黙は苦にならず寧ろ心地好いのは何故だろうか
(………一人暮らし寂しかったからかな?)
「………あ!……イルミさん鍵!」
「?」
「鍵渡しときますから、出入りは自由にしてください。ただし、必ず帰って来てほしいです」
「わかった」
「戸締まりはしっかりしてください!」
そんな念押しをして鍵を手渡した
明日から少し生活が変わってしまう私達はどうなるのかと考えたが全く想像が付かないので辞めた