第105章 ぬいぐるみのヒトコマ
「イルにゃん好きな食べ物は?」
『イチゴ』
「苺かぁ!私と一緒や!じゃあ趣味は?」
『アニメと漫画』
「特技は?」
『昼寝』
「……じ、じゃあ悩み事とかあるかな………?」
『お酒を飲んで記憶を飛ばす事』
「それ私やんッ!!!!!」
「完全に私じゃないですか!!!イルにゃんがそんなダメな奴やって認めませんからね!」
ちゃぶ台をバンと叩いた私に彼は溜息を付いた
「沙夜子はいちいち注文が多いね」
「だって………イルにゃんはイルミさんがモデルですもん………」
『ふーん』
「…………イルにゃん……好きな食べ物は?」
『玉子焼きとハンバーグとパンケーキ』
「!!!嫌いな食べ物は?」
『納豆』
今度は完全に彼の趣味嗜好とリンクしている様だ
「イルにゃんの特技は?」
『暗殺』
「趣味は?」
『うーん。情報収集』
…………何故だろう。ぬいぐるみを通す事で彼に直接投げ掛けるより随分質問がしやすい
彼もイルにゃんを演じているからか素直に答えてくれる
これは彼を深く知る良い機会かもしれない
彼の事は結構知っているつもりだが昔流行った友達にプロフィールを書いてもらう紙の様な質問はした事が無かった